Blu-ray Disc 業界探訪記

  • 第八回 アニプレックス

  • BDタイトル制作販売

男性向け作品を中心にハイクオリティーなタイトルのBD化を推進

 市ヶ谷にある大手アニメメーカー、アニプレックスでは、現在お勧めのタイトルが目白押しだ。



 5月27日に発売された「BLOOD THE LAST VAMPIRE」はDVDが世界中で評判になったタイトルだが、当時、フルデジタルで制作された作品として話題になった。DVD化の時にもフィルム版とデジタルマスター版が発売されたが、BDでは、新たにHDテレシネしたニューマスターのフィルム版と、デジタル版の2種類を1枚に収録している。また、音響もリマスタリングしており、クオリティーの充実した作品になっている。
 7月22日発売の「亡念のザムド」は、PLAYSTATION3の配信専用としてスタートしたタイトルだ。今シーズンからはテレビシリーズとして新たにスタートしている。アニプレックスとしてはテレビシリーズ初めての "DVDとBDの同時発売"を予定している。PLAYSTATION3の配信を行っているPlayStation NetworkではHD、SDの配信を行っているが、HDの方が実績が良かったため、BD版にのみ豪華特典を付ける予定で進めているという。業界では有名な制作スタジオ ボンズの制作で、こちらも作品のクオリティーには自信がある。
 そして一番のお勧めは「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」 (8/26発売)。これは説明するまでもないぐらい有名な作品だが、現在日曜5時からオンエアされている。DVDとBDの同時発売となっており、TVアニメに負けないクオリティーで制作を行っているところだ。
 相次ぐ新作タイトルのBD化の背景を、同社石川氏は「去年まではそれほどたくさんのブルーレイディスクタイトルを出していませんでした。実際に『世界遺産』と、アニメが1タイトルのみでした。しかし、ブルーレイディスク市場の盛り上がりとともに、いよいよ4月から積極的にブルーレイディスク化を展開していこうという方針になりました。この先のTVシリーズで男性ユーザーがターゲットの作品については、DVDとBDを同時発売していこうと考えています」と説明する。
 また、旧作品のBD化についても、既発のものを何タイトルかトライしていきたいと同社河村氏はいう。
 ちなみに、「鋼の錬金術師」をDVD BOX化した際のアンケートで「新しい作品を発売する際にDVDとBDを出したらどちらを購入しますか?」という質問をしたところ、男性ではBDが50%とDVDの45%を上回ったが、女性ではBD29%に対し、DVD63% という結果が出ている。
 また、「一度DVDで購入した作品もBD化されたら購入しますか?」という質問では、「絶対買う」と「出来れば買いたい」をあわせた数字が男性で59.9%、女性でも46.6%を占める 結果が出て、旧作品にもこれからはブルーレイ化を期待する声が大きい。これを受けて、特に男性層の作品については積極的に対応していきたいとのことだ。
 しかし、BDの制作はコスト面ではまだまだ難しい。
「正直にいうと、やはり製作費が高くなってしまいます。さらに、ブルーレイディスクにする際のオーサリング費用などもまだまだ高価なため、プラス1000円ぐらいの販売単価ではあまり儲からないのが現状です。それでもブルーレイディスク化は積極的に進めていくつもりですのでご安心ください」と、同社金沢氏は前向きだ。
 また、タイトルの魅力を高めるために、BD版には基本的に初回特典を付ける方針だそうだ。
「これからは『亡念のザムド』のようにBD版のみ初回特典をつけるなど、積極的に(この方針を)進めたいと思っています」(河村氏)
 石川氏は「市場が必要としてくれる状況になれば、ブルーレイディスク市場をどんどん活性化できるように我々も努力していきたいと思っています。そして、ブルーレイディスク版を発売する際には、必ずブルーレイディスクのクオリティーを十分に生かした作品にすることをお約束しますので、ご期待ください」と今後のBD化推進を明言してくれた。