Blu-ray Disc 業界探訪記

  • 第七回 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

  • BDタイトル制作販売

クオリティーの高いコンテンツを的確なセレクションでBD化

 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントは、アニメ業界のブルーレイ化を牽引しており、世界初のBDデモディスクを2008年末に秋葉原などで配布したことは記憶に新しい。2009年2月にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン合同会社と合併、商号もジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社に変更されたが、合併以前からユニバーサルのタイトルも多くリリースしてきた。




 ジェネオン・ユニバーサルからリリースされるBDタイトルは膨大で、最近注目のアニメタイトルとしては「ライドバック」「FATE/stay night」「カードキャプターさくら」など強力な作品が並ぶ。「カードキャプターさくら」は、BD化による画質の改善もさることながら、ひとつのパッケージになんと1150分、46話が入っている。
「これから期待しているのは、『FATE/stay night』。やはりBD BOXを発売するに当たり、それだけのものを所有する喜びを感じて欲しいということから、高級感を出すことが必要だと考えています。そのため、パッケージにはかなりこだわっています」
 おもにアニメ作品を担当する飯田氏は、各タイトルを説明する。
 邦画や音楽などの作品を主に担当する百瀬氏の一押しは「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト デラックス版」だ。
「これは、字幕にこだわりました!BDカラオケと呼んでもいいかもしれません。訳詩を入れているので、ローリングストーンズの歌を英語だけでなく、日本語でも歌えますよ」
 新タイトルのブルーレイ化は映画関係でかなり比率が高まってきており、「篤姫」などでもブルーレイ化して欲しいというユーザーの声が強い。そのため、積極的に展開していきたいという。
 アニメのブルーレイディスク化は、2008年末より進めてまだ一年にもなっていないが、売れ行きも非常に実績が上がっているという。想像以上にBDとDVDの比率が接近してきているそうだ。今後アニメについてはBD化を推進するのはもちろん、それに値するハイクオリティーなコンテンツを作成していきたいと開発陣の意識も高い。
 また、旧作品のBD化については現在、選考段階だという。
「ブルーレイ化すべきタイトルとそうでないタイトルがあることは事実ですね。作品の傾向としてSF、アクションのようなものはブルーレイ向きだと思います。ブルーレイ化する旧タイトルは慎重に選んでいきます。アニメガイドブックの2009年春号に掲載したアンケートでは、ユーザーの皆さまからはがきをいただいて、ブルーレイ化してほしいタイトルをあげてもらいました。思ったよりバラけていましたが、要望の高かったのは 『ブラックラグーン』 などですね。実現すべくがんばります!」(飯田氏)
 作品ごとのBD化のアプローチも一様ではない。
「例えば、『HELLSING』というタイトルなどは途中からですがBD化を進めています。6巻からブルーレイ同時発売1-5巻もリテイクして発売予定です。HDマスターの作品はできるだけ実現していきたいと思っています」(百瀬氏)
 BD版の特典について飯田氏は今後さらに充実させたいという。
「初回限定版はブルーレイとDVDは同一のものを付けています。やはり、BDを買っていただく方にはDVDと同等のものをつけたいと思っています。ただ、声優さんのトーク映像などの特典は、ブルーレイではなくDVDメディアになることがあることをご勘弁ください。もっとBD比率が高まってきたときには、特典までブルーレイ版というものが出てくるかと思いますので、是非BD版をご購入ください」

BD機器の普及は男性先行、女性向けタイトルはまだDVD中心

 また、ブルーレイ版の収益も向上してきている。
「逆にブルーレイを出していかないと儲からない状況になってきているかもしれません。DVD オンリーではアニメファンの方はもうご納得いただけないのではないでしょうか?
ただし、男性と女性での傾向がかなり違うと思っています。男性はブルーレイに揺れ動いている状況ですが、女性はまだまだでしょう。かつてVHSからDVDへ移行した時期の経験が参考になると思います。女性層にはあの時になぜかVHSが売れる状況になっていました。トレンディードラマなどがVHSで非常に売れたんですね。これは男性と女性でハードの普及タイミングにタイムラグがあるのが原因だと思います。BDとDVDに関しても今、似たような状況があり、アニメのDVD市場はBDの影響でちょっと厳しい状況ですが、女性向けのDVDアニメは数字が落ちずにむしろ売れているように感じます。今の世の中、ネットもあり、選択肢が多いため、DVDがすべてBDに替わるという状況にはなっていかないと思いますので、BDで所有したいものをいかに作っていくかですよね」(飯田氏)
 積極的にブルーレイディスク化を推進するジェネオン・ユニバーサル・エンターテインメント。今後もブルーレイディスクのパフォーマンスを十分に発揮できるハイクオリティーな作品を期待したい。