Blu-ray Disc 業界探訪記

  • 第六回 IMAGICA

    ハイビジョン時代に対応する品質重視のブルーレイ・ディスク制作

映像加工の長年の経験を活かしブルーレイ・ディスクを制作

五反田と大崎駅の間の高級マンションが立ち並ぶ一角に本拠地を持つIMAGICAは、映画、CM、テレビ、企業VPなど、エンターテイメント分野を中心に映像加工に関わる全ての作業を行っている。

映画分野が最も歴史があり、映画館で上映するフィルムの現像にはじまり、CM、テレビなどの編集を経て、様々な映像素材を撮影、編集、加工するポストプロダクション業務を行ってきた。ちなみにプリプロダクションとは、脚本、キャスティングなどの撮影前の制作、プロダクションは撮影業務、ポストプロダクションはその後の加工作業をさす。


同社の入口には珍しいものがあった。VFXの先駆者 「エリアルイメージ合成機」 というフィルムとアニメなどの合成機。昔はこのようなもので両側から映写したものを使っていたのだ。

パッケージビジネスに関してはVHSのコピー作業にはじまり、1997年にDVD-Videoのオーサリング作業を開始。そして2007年春にブルーレイ・ディスクのオーサリング作業をスタートしている。現在は劇場用作品やアニメーション作品、環境映像などを中心にブルーレイ・ディスクの制作を行っている。

DVD作業で培った技術を持つスタッフがブルーレイ・ディスク作業に携わっているため、従来のノウハウに加えて、ブルーレイ・ディスクならではの経験値を増やしつつある。

 同社の画質に関してのこだわりは非常に高い。

ブルーレイ・ディスクはDVD以上に解像度が高く、それに加えて大型ディスプレイなど色再現が高い環境で視聴することが当たり前となっています。また、映画館とは異なり、簡単にコマ送り、一時停止ができてしまうため、従来DVDではあまり問題にならなかった、フィルムの小さなゴミなどが目立つことになるため、その除去作業がさらに重要性を帯びてきます。また演出意図に入っていない様々な要因でカメラが揺れたりするような点も、視聴する際に気になってしまう可能性が高いのです。ブルーレイ・ディスク収録用の圧縮作業に使用しているエンコードが非常に高性能になっているため、そのエンコードの素材である高解像度でのマスター作業が非常に大事なパートとなります」と、同社西氏はブルーレイ・ディスクの映像の特徴を説明する。

 最近のデジタルカメラで撮影、編集した作品にはこうした傷、ゴミなどはあまり見当たらないが、逆にデジタル作業による色情報の欠落(マッハバンド)などが気になりやすく、それをなじませる作業が必要になるという。

高解像度マスターは非常に重要なため、最初にマスターのチェックを行う。デジタル処理特有のバンディングが目立つ箇所などがある場合は、IMAGICA独自開発のマッハバンド除去システムであるM.A.P.Sを使用して対処する。また同時に部内のメニューデザイナーによる、仕様に沿って作品にあったデザインも行う。DVDとブルーレイ・ディスクを同時発売するのであれば、その時にメニューイメージも合わせる。その後、オーサリング作業を行い、大量プレス前の最終チェックを経て、プレス工場にデータが出荷される。

「昨年2008年の7月28日にビクタークリエイティブメディア株式会社と資本・業務提携を結びましたので、DVD/ブルーレイ・ディスクのプレスまでの一括受注も行っています。またブルーレイ・ディスクのインタラクティブ機能であるBD-J、BD Live対応のソフトを制作できるよう準備しております」(同社工藤氏)

ポストプロダクション業務とひと言でいうと簡単そうだが、神経を使う工程が多いが、IMAGICAは経験と技術でブルーレイの特質にあわせた映像加工を提供するとともに、ブルーレイ化の積極的な推進のために『ブルーレイ制作ガイドブック』を制作するなど、コンテンツプロバイダーがブルーレイを導入しやすいような環境作りにも注力している。