マイフェイバリットブルーレイ 第15回 夢枕 獏さん

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夢枕 獏(ゆめまくら ばく)

1951年、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科を卒業後、1977年に作家デビュー。『キマイラ』『サイコダイバー』『餓狼伝』『闇狩り師』など幅広い分野の作品を手がける。中でも『陰陽師』シリーズはマンガ化、テレビドラマ化、映画化され人気が高い。
『上弦の月を食べる獅子』で日本SF大賞、『大江戸釣客伝』では泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞、吉川英治文学賞の3賞を受賞。最近出演したテレビ番組は、NHK「ザ・プロファイラー」「BS歴史館」「発見!北のシルクロード雲崗石窟 美の全貌」・他、テレビ東京「ソロモン流」BSTBS「みんな子どもだった」など。
釣り、カヌー、登山などのアウトドア系だけでなく、陶芸、歌舞伎、狂言、格闘技観戦など多彩な趣味を持つ。
「ユカタン 謎の攻防」「世界水紀行」など海外取材番組も多数ある。
最新作『陰陽師 螢火ノ巻』が11月15日文藝春秋から発売。

公式HP蓬莱宮
公式ブログ酔魚亭

第10位〜第4位の作品

  • 第10位

    燃えよドラゴン

    SF作品中心でピックアップしていますが、唯一の例外がこれ、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」です。この作品でそれまでのアクション映画が変わったと言っても過言ではないと思うんですよ。筋肉モリモリでガタイがいい俳優が主人公なのではなくて、ちゃんとファイトシーンもこなせる人が演じてる。この作品の影響力は今日(こんにち)「アチョー!」と叫ぶだけで「格闘が始まる」「カンフーものだ」「ブルース・リーのモノマネをしている」と分かってしまうように、一種の記号化しているくらい大きいんじゃないかと思いますね。映画だけじゃなく、実際の格闘技にも影響を与えたブルース・リーが考案した「つかめるグローブ」も見どころです。

  • 第9位

    黒澤明監督の作品が好きで、「七人の侍」と「夢」、どちらを入れようか迷ったんだけど……。夢は本当に彼が見た夢を元にして作られた8本のオムニバス形式で綴られた作品でね。どれも綺麗で良かったんだけど、怖かったのがその中の「トンネル」というものでした。猛犬に追われてトンネルに飛び込んだ「私」がそこから抜けて歩き出そうとすると闇の中から戦時中の部下の1人が現われて「自分は戦死したのですか?」と問いかけてくるというストーリーなんだけど、それが何を意味しているのか絵解きができない。何せ夢なんだもの。なぜ? 何? という正体が分からない不思議さを味わえる作品ですね。

  • 第8位

    西遊記

    東映のアニメーション作品を昔はよく観ていたんですよ。その中からこれを選んだ理由は、僕が最も影響を受けたから。物語の主軸は仲間ともしくは1人で敵と闘いながら成長していき、最後にはチャンピオンベルトならぬお経を天竺に取りに行く、というものですよね。僕の書く格闘モノは、みんなこれをベースにした変形の作品なんじゃないか、と思うほど。じゃあ、物書きになる人はこれを参考にすべく観た方がいいかって? 書くのは僕がするから、皆さんは楽しむために見てください(笑)。

  • 第7位

    千と千尋の神隠し

    宮崎駿監督の優れたところは、こういう変なモノ……って言っちゃうと失礼だけど、人間のすぐそばに住んでいる異形のモノを描くのがとても上手なところだと思っているんです。「となりのトトロ」のまっくろクロスケや「もののけ姫」のコダマのような。そして、そういう異形のモノがたくさん出てきて、なおかつ陰陽師に近いテイストなのがこれかなぁと。八百万の神が主人公の働いている銭湯を利用するんだけど、その造形の素晴らしさときたら。特に「カオナシ」は素晴らしかった。そういう「人間ではないもの」をどんなふうに描いているのか、そういう視点で観るのも楽しいかもしれませんね。

  • 第6位

    キングコング 1st

    リメイクされ続けている作品ですが、それだけみんなに愛されているということでしょうね。キングコングはドラマチックですよね。平和に暮らしていたのに都会に連れて来られて、人間の女性に恋をして、でもその場所に馴染めないからという理由で殺されてしまう。悲しい恋愛ものですよ。僕の作品にも影響を与えていて、前述した大江戸恐龍伝で連れてこられる恐竜がまさにこれ。女性に「惚れる」というのは鳥の雛が孵化した最初に観たものを親だと思い込むインプリンティング(刷り込み)現象によるもの、と作品の中では理由づけしました。いずれにせよ、悲しい物語ですよね。

  • 第5位

    猿の惑星 1st

    これを観たのは大学在学中か卒業したばかりの頃で、デビュー前かな。2001年宇宙の旅、スター・ウォーズが両端だったら、これはバランスの良い真ん中に位置する作品じゃないでしょうか。ドラマもあるし人類に対する警鐘も鳴らしているし、SFの持つさまざまな要素を含んでいて。ネタばらしせずにこの作品のいいところを語るのは難しいんだけど、ラストがね、小説では絶対に真似できない作り方ですよね。もしデビュー後に見ていたら、書き方が変わっていたかもしれないですねぇ。それまで何が起きたか、どれだけの時間が過ぎたか、人類のそれまでの歩み……。それらすべてをたった「1枚の絵」で語る。新しい猿の惑星シリーズを見る前にぜひともそういうところに注目して観てもらいたいと思います。

  • 第4位

    スター・ウォーズ all

    2001年宇宙の旅の対極にあるのがスター・ウォーズだと思っています。スター・ウォーズには明確なストーリーがあって、SFでいうところのスペースオペラというジャンルに属している。ストーリーだけで魅せてくるのではなく、空中に浮かんだ飛行艇から人が降りてくるときにはそれがちゃんと上下に揺れる。このリアルさもたまらないんですよね。そして何よりすごいのは最初の公開からこれだけの時をかけて、監督の頭の中にあったストーリーを全部描き切ったところじゃないでしょうか。CGの発展とともにリアルさを増す描写も見どころの1つだと思いますよ。

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