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2015年01月30日 更新

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物語を体に入れ、自分の血肉にしていく

ーグッドスマイルカンパニー代表取締役 安藝貴範さんのマイフェイバリット

アニメの人気キャラクターを魅力的な立体物として提供するフィギュア。今回登場頂く、安藝貴範さんは、そんなフィギュアを次々とリリースするグッドスマイルカンパニーの代表です。現在はフィギュアだけでなく、アニメーション事業やレースチームへの参戦など忙しい安藝さんですが、「映画はかなり見る方」。映画は安藝さんのこれまでの歩みや会社への取り組みにも大きな影響を与えているようです。そんな安藝さんにお気に入りの作品を教えてもらいました。

PROFILE
PROFILE

安藝 貴範(Takanori Aki)

株式会社グッドスマイルカンパニー 代表取締役社長

1971年生まれ。香川県出身。2001年同社を設立。
シリーズ展開している「ねんどろいど」は発売スタート後、総出荷数500万強を出荷し、幅広い層に人気のあるシリーズに成長。
近年は、フィギュアの枠を超え、モータースポーツ、アニメコンテンツ、オンラインゲーム、海外アーティストとのコラボなど様々な形で日本コンテンツを世界に向けて展開中。

第1位:「ラッシュ」

ーー安藝さんは子どもの頃から映画に親しんできたんですか?

安藝:いえ。僕が生まれ育ったのは、香川県のさぬき市津田町だったのですが、当時レンタルビデオも扱う本屋さんが一軒しかなくて、それが唯一「町の外の情報」「文化的なもの」とふれあえる場所でした。テレビも家の方針で1週間に数時間くらいしか観られなかったんです。

ーー今のお仕事からは想像がつかないですね。

RUSH

安藝:映画との接点は、本屋さんで買う雑誌「ロードショー」でした。そこで、映画、特に俳優さんや、女優さんの魅力に触れ、「実際に見てみたい」と電車で1時間掛けて映画館のある高松市まで通うようになったんです。ナスターシャ・キンスキーとマット・ディロンが大のお気に入りでしたね。ナスターシャ・キンスキーが主演した「テス」「キャット・ピープル」ドキドキしたし、マット・ディロンや、ロブ・ロウ、トム・クルーズなど後の出世頭がそろい踏みだった「アウトサイダー」(Blu-ray)も良かった。

ーーいま、広くいろんな方におすすめしたい作品を1つ挙げるとすると?

安藝:「ラッシュ」(Blu-ray)ですね。レースの世界ではレジェンドの1つになっているジェームス・ハントとニキ・ラウダという二人の天才レーサーの戦いと、彼らを支え共に歩んだ人々を描いた傑作です。

享楽的でただ速さを求めるハントと、チームでロジカルに勝てるマシンを作ろうとするラウダがとても対照的なんですね。僕はラウダはレースに勝とうとしているだけでなく、ある意味人生に勝とうとしている、という風に見えるんです。そんな二人が、大事故になる可能性が非常に高い危険な条件下のレースに臨むにあたって、大切な女性(ひと)への想いからある選択をするのですが、僕自身レースチームを運営していますから、とても考えさせられるものがあります。是非見て欲しいですね。

ーー片山右京さんなど、チームの皆さんもご覧になっているんですか?

安藝:試写会に皆招いて頂いたので、見ていますね。今でもよく話題にのぼります。ハントとラウダ、彼らが居たからこそ右京さんもレースの世界に文字通り飛び込んでいったわけですから。ガレージで寝泊まりし、F1に乗るためにフランスまでの片道切符を持って、フランス語もできないままに、とにかくマシンに乗せてくれと頼み込み、テスト走行では結果を出すために相当無茶な運転をしていた――まさにハントと重なるものがあるのではないでしょうか。カミソリ、サムライと呼ばれた右京さんは、当時、凄い顔になっていますからね。

技術や環境は変化していますが、当時も今もレースに関わる人の、レースに向かっていく気持ちは変わっていません。準備期間に比べれば一瞬とも言える実際のレース時間。その短い時間の中で一瞬一瞬の決断を迫られる。準備をどれだけしているかで勝敗が決まるんですよね。もちろんおカネも大事。ラウダは銀行に交渉に行き、ハントは金持ちに無心に行く、そんな姿もしっかりと描かれています。今も同じですからね……。

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